『レッドタートル公開記念対談SP 池澤夏樹氏×マイケル監督』LINE LIVEまとめ


レッドタートル公開記念対談SP 池澤夏樹氏×マイケル監督 - LINE LIVE
2016.08.30 18:07
【出演】
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット(『レッドタートル ある島の物語』映画監督)
池澤夏樹(絵本『レッドタートル ある島の物語』「構成・文」担当)
鈴木敏夫(『レッドタートル ある島の物語』プロデューサー)

【「レッドタートル」を観た宮崎駿の感想&反応】
鈴木敏夫:
(LINE LIVE視聴者からの)三番目の質問はですね…
「宮崎駿監督は「レッドタートル」を観たのでしょうか?」
答えは…観ました(笑)。
実はね、あるスタッフが作業のためにモニターを通してね、
やってたんですよ。そうしたら、気がついたら後ろに
宮崎駿が立ってて。実はダッーと全部観ちゃった(笑)。
これ誰も観ろって言っていたわけじゃないんですけどね、
そういうことが起こりました。
それを観たことによって……まあ…昨日ね、あらためて
マイケルにも会ってもらって、ご挨拶をさせていただいたんですけれど
宮崎駿はふたつ確か言ったような気がします。
「非常にチャレンジングな作品」
これがまず第一。(二つ目は)
「企画のスタートからいえば、10年の歳月をかけて
それを諦めないで最後までやり遂げたことに僕は感心する」

それから三つ目にはですね、彼が(「レッドタートル」を)観て、
ものすごく感じたこと。
「日本のアニメの影響を一切受けていない。
これは見事である!」
と。
これはね、どうしても最近いろんな西洋の人がアニメーションを
作って(僕たちに)見せてくれるんですけれど、残念ながら
日本の悪い影響を受けているっていうケースが結構あったりするんですよ。
それがもうね、皆無だったんですよね。
それと四つ目にはこんなことを彼は言いました、マイケルに向かってね。
「媚を売ってない」
要するに、僕らはお客さんのことを意識するから、
どうしてもサービス精神である部分をつい入れてしまうと。
ところがマイケルはそれを一切やらない。
それはね、彼は感心してましたよね。今の(四つ)はマイケルと会ったときの
話なんですけれど(笑)、彼が(「レッドタートル」を)観た直後の話も
ちょっとね明かしちゃうとですね、
まあとにかく観ろっていったわけじゃないのに、勝手に観ちゃってね、
それで顔色変わるんですよね~。顔色が変わるってどういうことかっていったら、
現在、彼は(ジブリ)美術館のための短編アニメーション(『毛虫のボロ』)を作ってる。
これは12分なんですけれどね、現在日本では残念ながらマイケルがやったように
ほとんどすべてを手で描くというアニメーションがスタッフの問題で
作りにくくなってるんですよね。そうしたときに今回、彼もそれを
肯定的にとらえて前向きに、要するにCGの力も借りようと。
それで12分のやつをやってたんですけれどね、
そのマイケルの「レッドタートル」を観たあと、彼はふたつのことをやりました。
ひとつ、彼がOKを出したいろんなカットがあったんですけれど、全部やり直し。
「リテイクだー!」って(苦笑)。
やっぱり顔色変わったんですよ。だから、非常にね、僕にとってはありがたかった。
要するにこのままいくのかと思ってたやつがマイケルによって大きな刺激を与えられて、
それをやり直そうと。しかも、ね、CGをやめて、もう一回手描きに戻すとかですね、
そういうことをやり始めたんですよ。これがまず一つですね。それから二つ目。
二つ目はですね、さりげなく僕に訊いてきたんですけれど、
「あの「レッドタートル」のスタッフってどこにいるの?」って(笑)。
「上手なのいっぱいいるじゃない!」と。
「ああいう人たちがいるなら、オレだってまだ出来るよね」
っていう(笑)。
僕はね、(宮さんに)説明しました。あれはね、確かにフランスで作ったんだけれど、
フランスの人だけで作ったわけじゃない。ヨーロッパ中からいろんなねアニメーターが
集まって、それでやっとスタッフが構成出来て作ったってことが一つと。
もうひとつ言いました。
彼らの描いた画を統一感を出すため、修正を入れ、頑張ったのは(監督の)マイケルだと。
月曜日から金曜日までスタッフが描いた画をね、彼は土日かけて
週末のその二日間で全部直してる。僕はメイキングを見たから知ってるんですけれど、
「そういうことをやったんですよ」って(宮さんに)言ったら、
「そんなことはわかってるよオレだって!」って、
そんなことを言ってました(笑)。

「日中韓学生アニメーションフェスティバル2016」
7月開催へ トークセッションに宮崎吾朗





【マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の好きなジブリ作品】
鈴木敏夫:
(LINE LIVE視聴者からの質問)
「マイケル監督、好きなジブリ作品を教えてください」

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット:
ジブリ作品のなかで1本だけを選ぶのはとても難しい。
それは兄弟のなかで誰がいちばん好きかと訊かれてるのと
同じような質問だと思うんですけれども、あえて言えば、
宮崎さんの作品のなかでいちばん好きなのが、
子どもが自然のなかで何かを発見したり、
わくわくする好奇心みたいなものを表現する、
その宮崎さんの(作品の)子どもの「ハッ!」っていう
好奇心の表現方法がすごく好きです。
あと高畑さんに関しては「となりの山田くん」のなかで、
俳句を映画のなかに、アニメーションのなかに取り入れたというのは、
これは本当に日本人にしか出来ないことだと思いますし、
やはり「間」とか「静粛」、「素晴らしい感性」、
そういったものがすべて映画のなかに入っているというのは
やっぱり高畑さんの素晴らしいところだなと思います。

「アニメ映画ベスト100」が発表!アニメーターや監督などプロ100人が選出

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が選ぶ
長編アニメーション映画ベスト10作品
(※2014年選定)
『バンビ』(1942)
『ファンタジア』(1940)
『火垂るの墓』(1988)
『ジャングル・ブック』 (1967)
『ももへの手紙』(2012)
『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999)
『となりのトトロ』(1988)
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993)
『千と千尋の神隠し』(2001)
『イエロー・サブマリン』(1968)

『世界と日本のアニメーションベスト150』
(2003年6月12日第1刷発行)
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が選ぶ
ベストアニメーション12作品
(※長編・短編等の区別なし)
『快適な生活』(1989)
『丘の農家』(1988)
『姉妹』(1990)
『木を植えた男』(1987)
『クラック!』(1981)
『ブラック・ドッグ』(1987)
『バンビ』(1942)
『ウォレスとグルミット~ペンギンに気をつけろ!』(1993)
『Why Me?』(1978)
『となりのトトロ』(1988)
『千と千尋の神隠し』(2001)
『猫帰る』(1988)

【その他、LINE LIVEまとめ】
サブタイトル「ある島の物語」を
提案したのは池澤夏樹。

『ロビンソン・クルーソー』の話は
今の時代とリンクしていないと思う。
人間が島をコントロールしようとしている。
自分の文化を島に強制しようとしている。
そういった一方的な力に対して共鳴できない。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

沈黙の美しさ、そういったものを表現したかった。
お客さんが退屈せずに味わってもらえるような表現を模索した。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

自然の情景を描くため、実際に竹林に入ったり、外で寝てみたりして、
ただ単にイマジネーションに頼るのではなく、
自分の身体で体験したものを画に落とし込んだ。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

シュノーケリングで海に潜って、
2回ウミガメに出会うチャンスがあった。
それはもちろん大事な機会であったが、
自分自身この作品を作るにあたって
温度というものをとても大事にした。
何かに触れたときの温度、感じる温度、
そういったものをどうやって
表現できるのだろうかとよく考えた。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

映画に出てくる人物は
国籍を与えたくはなかったが
人種としては西洋人だと思う。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

島の厳密なモデルではないが
インド洋のセーシェル諸島のなかにある
数百人の村民しかいない小さな島に一人で行って、
島の温度や空気を身体に感じながら何日か過ごした。
病気になって夢を見るという、
映画の登場人物と同じような体験をそこでした。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

『レッドタートル ある島の物語』の
アーティスティック・プロデューサーである
高畑勲監督とはいろんなレベルの話をした。
まずはテクニカルな問題について話し合った。
色について、表象シンボルについて、
話の中のエモーションの置き方、
服装についても話し合いをした。
そして、アニメーションの
ディテールに関して意見交換をした。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

欧米と比べて、日本のアニメーションは
1秒のなかで使用するコマ数が少ない分、
1枚の絵の表現が強いと思う。
(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が
生まれ育ったのはオランダ。
父はオランダ人、母がフランス系スイス人。
フランス語、オランダ語、ドイツ語、スペイン語、英語が喋れる。

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の短編アニメーション
『Father and Daughter』(邦題「岸辺のふたり」)の権利を
スタジオジブリが取得すべく現在一生懸命努力している。
鈴木敏夫は100回くらいこの作品を観ている。


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