氏家齊一郎とスタジオジブリ

(2011年1月10日のツイート)
 新年最初の『熱風』(2011年1号)の特集は「東宝映画」だった。がしかし、その特集より興味深い連載が『熱風』紙上で始まった。それは、氏家齊一郎「昭和という時代を生きて」。

 その第一回が「ジブリと私」について。氏家齊一郎は日本テレビの会長で、ジブリが世間に知られるようになったのに、日本テレビが大きな役割を担ったのはよく知られている。だから、その関係を含め、ジブリを知るうえでは、氏家の証言は貴重だ。

 第一回から、具体的で濃い話だった。その連載を読んでみると、日本テレビとジブリの関係は、『風の谷のナウシカ』のテレビ放映権を買ったことがきっかけだそうだ。その放映権の価格は、当時としては破格の4500万円。通常の相場は3000万円ぐらいだったそうだ。

 そして次の『天空の城ラピュタ』は9900万で購入。当時副社長で放映本部長だった氏家は、周りは反対していたが、自分の権限範囲でこれを決断。このようなことがあって、ジブリとの関係の土台ができたそうだ。

 ジブリ美術館設立の話。美術館をつくるのに、日本テレビが20億円、徳間書店(当時ジブリは徳間書店の子会社だった)が30億円出して、合計50億円かけて建てたとのこと。そして、美術館を三鷹市に寄付した(土地が三鷹市の管轄だから)。

 ジブリ関連以外の話で、日本テレビのメセナの話も面白い。システィーナ礼拝堂の天井画と壁画(ミケランジェロ作)の修復を世界の企業や国にバチカンが呼びかけたが、それに手を上げたのは日本テレビだけ。修復には10年間かかり、金額としては5000万ドルぐらいかかったそうだ。ルーブル美術館の「モナ・リザ」のための部屋づくりにも日本テレビは協力した。

 高畑勲の新作について。「かぐや姫は月に帰ったでしょ。そこからまた戻ってくるっていう考え方もあるんですね。(中略)また戻ってきて人間の世界で苦労していくっていう話にしようかなと、彼から聞いて、なるほど、それは「現代版竹取物語」としては面白いかもしれない」

 日本テレビの会長として、そして個人としての氏家の高畑勲と宮崎駿の両名に対する深い思いがうかがえる良い記事だった。具体的な数字(ジブリ美術館を作るのにかかった費用50億…)がぽんぽん飛び出てくるだけに、資料としての価値もあって、この先も見逃せない連載になりそうだ。

 それと最後に、氏家氏の記事で、「今度の作品の「かぐや姫」も最後どうするか大体かたまってきたそうです。」とあったから、高畑勲の新作の公開はまだ今年中には難しそうかもしれませんね。


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