中世東北を舞台にしたアニメーション映画をスタジオジブリが企画中

(2012年1月16日のツイート)
 日本映画専門チャンネル「岩井俊二×鈴木敏夫 特別対談」視聴。鈴木Pの話によると、気候が温暖で農作物が採れ豊かであった中世の東北を舞台に、史実とフィクションを織り交ぜたチャンバラ物を宮崎吾朗監督で企画中とのこと。妻が東北出身なので、吾朗氏もやる気になっているとか。

 日本の中世の歴史と気候の関係を論じている本があると、対談のなかで鈴木Pは話題に出していたが、著者は山本何某であるとか、Amazonでみたら中古で14000円の値段がついていてビックリしたという鈴木Pの話を手掛かりにすると、山本武夫の『気候の語る日本の歴史』がその条件に該当する本だと思う。

読書という航海(201冊目)…『日本の中世 1 中世のかたち』(石井 進)
 「急激な温暖化により、東北日本の開拓が進んだと著者は説いている。《もちろんまだほんの一つの思いつきにすぎないけれど、過ぎ去った千年紀という長距離に目をおいてみると、これまであまり語られなかった日本の中世の一つの側面が浮き上がってくるようだ。そして、事は中世の終末だけではなく、むしろ中世の成立の時期にもかかわってくる。というのは、ロットネスト海進の温暖期を利用して、近畿はじめ西日本を中心とする勢力が東日本、とくに東北日本の開拓など支配力拡大につとめた可能性が非常に大きいと考えられるからだ。ひと昔前の高校日本史の教科書や参考書ふうに言えば、8世紀末から9世紀初めにかけて、坂上田村麻呂による「蝦夷(えみし)」の「征討」、そして「東北経営の進展」がつづく。この9~10世紀はロットネスト海進の第一の高まりの時期で、1000年前後に一度、小さな谷間を作った後に1000年前後の最温暖期に到達する。すると日本の中世の始まりの時期は最温暖期と一致しており、東北日本が農業ではもっとものびてゆく、いわばフロンティアに当たっていたのではないか。そうした状況をふまえれば、西日本勢力によるこの地域への進出が続く一方、古くからの東北日本の住民たちも新しい技術を自らのものにし、新たな発展をめざそうとしていた。近畿地方の旧来の国土の中心からみれば遠い辺境のはての地域で、すさまじいまでの葛藤が起こり、エネルギーが生れた。それが「日本の中世」の成立に大きな影響を与えたように思われるのだ》(P16)」
 「1166年から76年まで、政治史的にはほぼ平清盛の全盛時代は、ちょうど十分に高温で、降水量も多いという、植物生育に最適の状態だったという。ところが、源平合戦、平氏滅亡に至る1177年からの10年間は、高温・乾燥化の極に達していたため旱魃から大飢饉を招いてしまったそうである。伊豆国に流されていた源頼朝が平氏に対する反乱の兵をあげたのが治承4年(1180)8月。ちょうどその夏の京都付近は記録的な旱魃がつづき、その秋から翌年、翌々年にかけて悲惨な大飢饉となった。鴨長明の『方丈記』によると、餓死者の数は、京の左京の町中だけでも42300あまりになったという。《このような状況下、5年間におよぶ源平合戦が戦われた。すでに早く気象学者の荒川英俊氏は、東日本では「雨年に豊作なく、旱魃に不作なし」とのことわざがあるくらいで、旱魃による大凶作は西日本に大きな打撃を与えたが、東日本はこのときもかえって豊作だったのではないか、これが東日本を根拠地とする頼朝に有利、西日本を主な地盤とする平氏にとって不利に働いたことはまちがいなしとし、「平氏を走らせたものは水鳥にあらずして、飢饉の大衆であった」と論じておられる》(P20)」
 
 「平家頽勢とその急速な滅亡の原因は、全部ではないにしても、彼等が本拠地と恃んだ西南日本が、気候変動の頂点に続発した史上最高の程度の旱魃飢饉に襲われたことによるものと私は推定する」(山本武夫『気候の語る日本の歴史』より)


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