三鷹の森アニメフェスタ2012 宮崎吾朗監督講演会レポート

(2012年3月3日~3月4日のツイート)

 今年も三鷹の森アニメフェスタに行ってきました(2回目)。去年のはこちら

ジブリの後継者?一人のアニメ監督?宮崎吾朗監督、父と同じ道を歩むことには「相反する気持ちがある」-シネマトゥデイ-

 会場を見渡したところ、鈴木Pと川上P見習いはいなかったように見受けられたが、ジブリ美術館の中島館長と事務局長の西岡さんの姿を発見。西岡さんは、にし日誌のためだろうか、写真を撮っておられた。

 映画『コクリコ坂から』の特別上映の後、小島一宏アナを司会にして宮崎吾朗監督の講演会スタート。

 昨日の日本アカデミー賞授賞式の舞台裏で、昨年『借りぐらしのアリエッティ』で最優秀アニメーション作品賞を受賞して今年プレゼンターを務めた麻呂(米林宏昌監督)に、もし紙に「けいおん!」と書いてあっても、「コクリコ坂」って読んでね、と頼んだ。(宮崎吾朗)

 『コクリコ坂から』の時代設定は原作とは違い昭和38年(1963年)。実は宮崎駿が就職した年。宮崎駿はああみえてミーハー。できたての首都高をみんなで走りにいったりと、甘酸っぱいことをしている。作品中に山下公園が出てくるのは、宮崎駿は語ろうとしないけど、そこでなにかあったに違いない!(宮崎吾朗)

 『コクリコ坂から』は最初、カメラが寄らず1カットが長い(クラシックな)実写映画ぽくしようとしていた。海のキャラ設定がどんどん陰鬱になっていって、このキャラクターは自殺してしまうのではないかと思った。(宮崎吾朗)

 『ゲド戦記』の絵コンテは勢いのままやって3ヵ月半で完成したが、『コクリコ坂から』の絵コンテの場合、アニメが苦手とする動きが少ない(ごまかしが利かない)会話劇が多いシナリオでそうはいかず、さらにスケジュールの関係上あまり動かせないという制約もあり、完成まで9ヵ月もかかった。(宮崎吾朗)

 (素人だったのに)絵が描けるのはなぜ?と司会が質問すると、落書きくらいなら(笑)と謙遜。毎日描いていたら、うまくなる。「ゲド」の絵コンテを見ると、オレもだいぶうまくなったなあ、と。スタッフに「ゲドのときの絵はヒドいですね」と言われましたよ。(宮崎吾朗)

「宮崎駿の絵はマンガ」[シネマトゥデイ]の補足。
 写真のようなものではなく、絵として宮崎駿は描いてる。しかもそれは普通の人には描けない絵。ジブリの中堅アニメーターでも描けない。カメラで撮ったら絶対ありえないパースでインチキ。一枚の絵のなかに視点がいくつもある。色々と狂ってるので、普通の絵描きが見ると気持ちの悪い絵。でも、「おまえの目ではそうみえんのか!?目ん玉2個だと世界はこうみえるんだ!」と宮崎駿は豪語している。(宮崎吾朗)

カルチェラタンの描写について。
 絵コンテの段階で可能な限り描く。レイアウトの段階でも描き込めるだけ描き込む。背景に美術スタッフが勝手に足す。それに白いヒゲの人(宮崎駿)がもっとこういうのを足せばいいと注文をつける。設計図通りにやればいいのではなく、どれだけ膨らませられるのかが大事。(宮崎吾朗)

 宮崎吾朗には息子がいる。3才半で生意気になって手がかかるようになってきた。息子のために映画をつくらないのか、という司会の質問に対して、(宮崎駿とは違って)息子の世話をしてるんで(笑)と答える宮崎吾朗(笑)。僕がつくるより、じいちゃんがつくったやつでいいじゃないかと思ってる。(宮崎吾朗)

 ファンタジーをつくる時期じゃない、という宮崎駿の発言&ジブリの制作姿勢について。 ファンタジーは一つのスタイルになりすぎた。魔法使いや竜が出てくるといったように、パターンが出尽くし、本歌取りの本歌取りになっている。日本だけの状況ではなく、世界的にそうなっている。ファンタジーの新鮮さが失われている。だから、別の時代をフィクションで描く方がいいと思っている。(宮崎吾朗)

 (映像制作志望の学生から事前にとった質問を読み上げる司会)

Q.宮崎吾朗監督はアナログ派ですか?それともデジタル派ですか?

 宮崎駿はアナログ派であると思われているが、実はどっちでもいいと思っている人。僕もそう思っている。要は、自分が思い描く芝居や表現ができるかどうかで、3DCGだろうとうまくいくなら構わない。鈴木Pからは「吾朗、3Dの勉強をしといて」と言われたりしている。(宮崎吾朗)

 映像をつくるとは、現象をただ写し撮ればいいわけではない。宮崎駿がよく言うことで、意志を描かなければいけない。それが表現できなかったらダメ。意味がない。(宮崎吾朗)

Q.ゲド・コクリコの演出の違いは?

 「ゲド」のときは、エイヤー!と全部勢いでやり、自分の中から出てくるものでつくった。「コクリコ」のときはシナリオがあって、解読作業が主だった。難解な場面で絵コンテ作業を10回以上やり直したこともあった。(宮崎吾朗)

Q.今後の若手演出家に必要なことは?

 アニメーションを見ないこと!どうせみるなら実写映画の方がいいし、それよりも自分で外に出て生モノを観た方がいい。(宮崎吾朗)

 (会場からの質問)

Q.監督自身は「ジブリの後継者」と「自分のスタイルを持つアニメ監督」のどちらであると考えているのか?

 「自分が言うのも変ですけど、父と同じ道を歩むことになったわけですが、自分なりに作りたいものもあれば、ジブリだからこそやれるものもある。自分の中には相反するものがあって、簡単には言えないですね」(宮崎吾朗)
[シネマトゥデイより引用]

Q.高畑勲と宮崎駿の新作の完成は2013年夏のようだが、『火垂るの墓』『となりのトトロ』以来の同時公開はありえるのか?

 高畑勲の作品次第。彼が初監督した『太陽の王子 ホルスの大冒険』からして公開が大幅に遅れた前例がある。『火垂るの墓』は未完成の状態で公開。2013年夏も高畑さんは間に合わないんじゃないか。だから宮崎、高畑の順番で、その次に作品を発表するのが僕か麻呂になるので巨匠ふたりの後は嫌だなと。「昨日、『借りぐらしのアリエッティ』の麻呂(米林宏昌監督)に会ったときに『先にやってよ』と言ったら、えへへと笑っていました」(宮崎吾朗)
[シネマトゥデイより一部引用]

ゲド・コクリコでやり残していることは?(司会)
 人間を描き切れていないこと。(宮崎吾朗)

 ジブリの収入源であるパッケージ物が売れなくなってきた。「コクリコ」のDVDBlu-rayを今度発売するが、「アリエッティ」でさえ苦戦しているのに、「コクリコ」が売れるわけないと言われている。だから、一家に1枚と言わず、2枚ずつ購入してください(笑)。(宮崎吾朗)

※この記事における宮崎吾朗監督の発言は、私の記憶とメモから再現されたもので、省略や言い換え、解釈が混じっており、原文のままではありません。なかには勘違いや拡大解釈されたものがあるかもしれませんが、あしからず。

『シャーロット姫』と『崖の上のポニョ』

『山口智子×鈴木敏夫“話をする二人”』の内容&宮崎駿の次回作についての考察

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はじめまして。
私も三鷹の森アニメフェスタに行ったので、思わずコメントさせてもらいました。
ジブリ情報満載のステキなブログですね。これからマメにチェックさせてください(^^。
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