ジブリファンはナウシカ2の夢を見るか? 庵野秀明、新劇場版『風の谷のナウシカ』実現への道



漫画版『風の谷のナウシカ』7巻は宮崎駿の最高傑作
鈴木敏夫のジブリ汗まみれ - TOKYO FM 80.0 -
2010/01/10 庵野秀明さんがれんが屋へ!②

庵野:『ナウシカ』(漫画版)の7巻は、宮さんの最高傑作だと思いますよね。まあ、巨神兵のくだりは別にしてですね、宮さんの持ってるテーマ性というのが、あれに、すごく集約されている。もう、原液のまま出してるのがいいですよね。…ほんとは、すごくこう、アレな人なんですけど(笑)。
鈴木:そう。あの、負の部分というのが…。
庵野:それが、ストレートに7巻には出ていて、良かったです。『ナウシカ』の漫画にもいろいろ出てますけど、7巻はそれをギュッと凝縮してて、いいです。
鈴木:『ナウシカ』の「2」をやらせろって言ったのは、あれはいつなの?
庵野:あれは…『ラピュタ』の頃だと思いますけど。吉祥寺で言った覚えがあります。最初にね。
鈴木:あれはだけど、おれ、真剣に、「庵野がやるならいいじゃないですか?」って説得したんですよ、宮さんを。3部作にしたらどうだって。そうするとね、たぶん2本目は、宮さんが(漫画で)描いてるように、ある種、殺戮の映画だと。で、第2部はそういうことでいうと、「さあ、このあとどうなるだろう?」っていう、そういう映画を作ればいいわけだから、庵野がやったら絶対面白くなると。で、その締めくくりをね、宮さんが第3部でやればいいじゃないかっていう…いい説得でしょ?(笑)。
庵野:ははは(笑)。
鈴木:そしたら、怒っちゃって。「やめてください!」って(笑)。
庵野:ぼくがやりたいのは7巻ですけどね。



「ナウシカは出すな!」
特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』

「特撮博物館」にかける思い:「エヴァの原点はウルトラマンと巨神兵」――庵野秀明が語り尽せない「特撮」への愛 - ねとらぼ
鈴木:短編は何で作ることになったんだっけ?
庵野:鈴木さんが「映像見たい」って言って。
鈴木:えっそうなの?「映像も作ろう」と庵野さんが言い出したんですよ。
庵野:え、そうだっけ?
鈴木:で「すぐに巨神兵を使おう」と言ったんだよ。そのときの会議はスタジオジブリのなかでやっていて、巨神兵は風の谷のナウシカに登場するので、じゃあ「原作者(宮崎駿監督)のところへ行こう」って言って、本人に話して。そしたら「いいよ!」って即答で「庵野に頼まれるなら仕方ない」と。
庵野:でも「ナウシカは出すな」って言われたよね。
鈴木:「どうせ巨神兵が東京を壊すんでしょ。とっくに壊れてるのに」って宮さん(宮崎監督)が言ってね。


宮崎駿が生み出したキャラクターで
1番特撮に近いのは巨神兵

庵野秀明「ルーツとしての特撮、原点としてのウルトラマン」(『熱風 2012年7号』)
 プロジェクトが決まると鈴木さんから「お客さんを呼びたいから、短編でいいので映像もつくりたい。特撮で何か新作をつくろう」と提案がありました。「何がいいかな」と考えたときに、ぱっと出たのが巨神兵を実写で撮るアイデアでした。巨神兵なら宮崎さんもOKしてくれるんじゃないか、それに巨神兵を使うなら鈴木さんだって下手なものは作れないだろうと(笑)。巨神兵は宮崎さんの中で一番特撮に近いキャラクターだと僕は思っています。

『巨神兵東京に現わる』は
『風の谷のナウシカ』への庵野のオマージュ
原作者(宮崎駿)を超えて
オレの方が凄いだろう!と言っている作品

立正大学講演会「鈴木敏夫プロデューサーに聞く~3.11後のジブリアニメの予感~」
 庵野秀明とは30年の付き合い。彼がつくっている新劇ヱヴァ序Qをみてて、余計なこというようだけど、ジブリ…高畑勲と宮崎駿に彼がライバル心を持ちながらやっているのがわかる。エヴァは巨神兵。東京都現代美術館の特撮展のため、庵野に特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』をつくってもらった。実際に観るまではたわいのないものだろうと思っていたが、とんでもない。『風の谷のナウシカ』への庵野のオマージュ。原作者(宮崎駿)を超えて、オレの方が凄いだろう!と言っている作品。

悲劇の巨神兵・庵野秀明
「宮崎駿は、なぜ、はじめて自分の映画に泣いたのか?『風立ちぬ』3万字徹底インタビュー」(『CUT 2013年9月号』)
 庵野(秀明)の悲劇は、自分がコピーのコピーのコピーだってことを自覚してることなんです、ほんとに。コピーってのはなんでもやってくれるけど、どんどんぼやけていきますから。これ、庵野も言ってることなんですけど。もうほんとにダメだって言ってるんですよ。それなのに株式会社カラーなんか作っちゃったから、もう悲劇の巨神兵になってるんですよ。

通俗文化はリレー
『風の谷のナウシカ』の巨神兵もナウシカも
ぼくの独創とはいえない

宮崎駿の原点&バトンの継承 三鷹の森ジブリ美術館企画展示「挿絵が僕らにくれたもの」展-通俗文化の源流-
 通俗文化は、リレーのようなものだと思っています。『風の谷のナウシカ』の巨神兵も、その肩に立つ少女も、ぼくの独創とはいえません。いろいろな形で描かれて来たものを、絵物語を通して受けとったのです。リレーのバトンがなければ描けなかったでしょう。絵物語もラングも様々なバトンを受けとったのです。映画も小説もまたそうでしょう。


ジブリの教科書「ナウシカは日本を変えたのか?」鈴木敏夫×朝井リョウ×川上量生 - 2013/04/14 15:00開始 - ニコニコ生放送
「ナウシカ2がいつ出るのか」
それだけを知りたかった

川上:『ナウシカ』の「2」をずっと待ってましたもん。『ナウシカ』が出て、『ラピュタ』が出てっていうときに漫画の連載が続いていたじゃないですか。だから、ぼくは「2が出てほしい」じゃなくて、「いつ出るのか」だけを知りたかった。まさかね、(『ナウシカ』の2の)予定がないなんて思ってもいませんでしたね。

映画『風の谷のナウシカ』は
ジブリ作品のなかで1番完成度が低い
最初の1作目から作り直してほしい

川上:ナウシカはラストがどうのこうのよりも、「ここで終わるの!?」って感じでしたね。ぼくの中で。
鈴木:映画ですか?
川上:「映画もう終わっちゃうの?」って感じでしたね。
鈴木:…なるほどねえ。
川上:どちらにせよ無理やり終わらされた感じがして。早く続きが…みたいな。
朝井:いまだに待っていらっしゃるという?
川上:もうね…(続編の)可能性がゼロだっていうね…。
朝井:ゼロなんですかね?
鈴木:宮崎駿はつくらないでしょうねえ。
朝井:じゃあゼロですね。
鈴木:ぼくはひどいこといったことあるんですけどね。
朝井:続編に関してですか?
鈴木:庵野秀明っていう、エヴァの彼がね。
朝井:巨神兵の部分を描かれた方ですよね。
鈴木:そうそう。彼がね、要するに「ナウシカをおれにつくらせろ」って、ずっと言ってて。で、まあぼく彼のことよく知ってるから、事あるごとに宮さんにね、その話をしてきたんですよ。すると(宮崎駿は)「冗談じゃない」って。あるとき思いついてね、原作を読んでみると、映画のあとのパート2に相当するところは殺戮の話なんですよね。
朝井:しかも大量の…。
鈴木:それをね、庵野にやらせてはどうかと。それはそれで終わらせといて、最後にもう一回宮さんがね、それをまとめるという形はどうですかねって言ったら、怒っちゃってね(笑)。第2作はね、誰がやっても楽かなあって思ったんですね、ぼくは。だって、問題を解決する必要がないんだもん。
川上:でも、どっちかというと、続編をつくるんだったら、最初の1作目を作り直してほしいですよね。だって、1作目ってジブリ作品のなかで…いちばんなんかね…なんていうんですかね…ちょっと婉曲な言い方が思いつかなかったんで、ストレートにいうと完成度が低いと思うんですよ。
鈴木:そうですかあ?
川上:いや、ぼくはいろいろ納得いかない部分が多いですよ。
鈴木:川上さん、なんか幻をみてるんじゃないんですか。映画みてないでしょ!
川上:だって、あれはスケジュールにすごい追われてつくったやつですよね。
鈴木:まあ…そうですね。
川上:で、そのあとの作品に比べてもね、全然やっぱりかけてる時間とか…。
鈴木:そうですねえ…。


『ナウシカ』を大河ドラマのように
長い時間をかけてやってほしい

川上:(ナウシカの原作を)映画っていうんじゃなく、本当、テレビでみたい、ずっと。大河ドラマでみたい。NHKの大河ドラマで。
鈴木:でも、テレビでね、そういうのって、できるんですかね?だって、例えば、大河ドラマをNHKでやってるでしょ。どんな話もホームドラマにしちゃうでしょ。あれホームドラマにするから、日曜日の夜8時に見ることができるわけじゃないですか。ところが、あの原作をそのままやったら、みんな見ないですよ。
朝井:たしかに、あれを明日から月曜日だっていうときに見れないですね。たしかに。
鈴木:嫌になっちゃうもん。そんな気がするなあ。
朝井:大河ドラマ的にやってほしいっていうのは、すごいわかります。
川上:長い時間でやってほしいですね

「ジブリやりませんか?」
鈴木:川上さんと出会ったときに「ジブリやりませんか?」ってぼく言ってたんですよ。忘れてましたけど。…どうですか?
川上:(そういうの)やめてください(笑)。


スタジオジブリプロデューサー見習い
スタジオカラー取締役・川上量生
「文化を守っていける会社を作るのが僕の役割」

ドワンゴ川上会長、ジブリの次は「エヴァ」の謎 庵野秀明氏代表のカラー取締役に就任:日本経済新聞
 「鈴木さんに(カラーの取締役にならないかと)言われたんですよ。もともとは庵野さんが鈴木さんに、そういうことが可能かどうかを相談したと聞いていますが、本当のところはよく分からない。そのあと、庵野さんからも正式に同じ話をされました」
 「鈴木さんは、吾朗さんや庵野さんと僕をくっつけて、何かが起こるといいなと見ているだけなんですよ。何か化学反応のようなことが起きたら面白いなと楽しんでいる。世間が勝手にいろいろな臆測をすることも含めて、楽しんでいると思いますけどね」
 「すごくおこがましいんですけれど、(ジブリやカラーにとって)僕が果たすべき役割があるとしたら、氏家さん(故氏家斉一郎・前日本テレビ放送網会長)だと思うんですよね。文化の庇護(ひご)者ですよね。そのためにはドワンゴをもっと大きくしなきゃいけない。もしジブリに何かあった時、まだ支えられる規模じゃないんですよね、ドワンゴは。ジブリにせよカラーにせよ、そういう文化を守っていける会社を作るというのが、僕の役割だと思ってる」



『風立ちぬ』声優・庵野秀明
現代で堀越二郎に1番似ているのは庵野

朝日新聞デジタル:(インタビュー)零戦設計者の夢 映画監督・宮崎駿さん
 国内で一定数の社員を抱えているアニメーションの会社は、ジブリ以外では『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督が経営する『カラー』ぐらいでしょう。彼とは30年来のつきあいですが、作品づくりに力を尽くし、次世代の人材を育成しようと、塗炭の苦しみを味わっている。今度の映画では堀越二郎の声を演じてもらいました。庵野は飾らず、時代を精いっぱい生きている。現代で、堀越二郎に一番似ているのは彼だな、と思ったんです。

宮崎駿亡きあとは庵野秀明しかいない

YouTube - ジブリ鈴木敏夫、宮崎駿の後継者に庵野秀明を指名?「第27回東京国際映画祭(TIFF)」記者会見(1)

記者:今回の特集上映を庵野さんに決めた理由は?
鈴木:宮崎駿亡きあとは…庵野秀明だろうと。それしかないですよね(笑)。
庵野:大きく出ましたね。
鈴木:いや、だってそれしかないと思ったんですよ(笑)。東京国際映画祭でね、アニメーションに力を入れたいと。海外からいろんな方もいらっしゃるので、作家を取りあげてそれを特集していくのはどうだろうと。その第一弾として、現役だったら宮崎駿なんでしょうけれど、なにしろ彼は引退しましたから、庵野秀明しかいない…そう思いました。あとさっき映像みてて、ぼくもある感慨に襲われたんですよ。「なんだぁ…」と思って。なんだというのは、庵野も決して若くない…(笑)。要するに、こんな歴史をもう作ってきちゃったんだなあと。そういうことでいうと(庵野は)歴史上の人物なわけだから、ちょうどいいときに、こういう上映会が出来るのはいいなと思いました。


『カラー』という会社に庵野はこだわっている
YouTube - 鈴木敏夫、庵野監督のジブリ入りを否定「第27回東京国際映画祭(TIFF)」記者会見(2)
記者:「宮崎監督の次は庵野さんしかいない」みたいなことをおっしゃっていましたけど、庵野さんがジブリ作品をつくるなんていう可能性も?監督として…。
鈴木:それはないんじゃないですかね。『カラー』という会社に(庵野は)こだわってますからね。
庵野:まあ、自分のスタジオがあるから…ええ。
記者:でも、コラボってことはありえないですか?
鈴木:海外の会社と日本の会社が一緒にやる。それも難しいんですけれど、日本のなかの色んな会社の方法論その他みんな違いますから、もしかしたら海外との合作以上に、そういう会社が集まってひとつのものをやる、というのはそんな簡単なことじゃないとぼくは思っています。いちばん大きいのは文化の違いでしょう。そういう気がします。


日本のアニメーションを牽引していくのは庵野

庵野:色々言っていますけど、鈴木さんは半径3mでしか仕事しない人なんですよ。「誰がいいんだろう?…ああ庵野がいるじゃないか」、こんな程度だと思います…ですよねえ?
鈴木:いや、そんなことないです(笑)。やっぱりねえ、宮崎駿亡きあとこれからは少なく見積もっても10年、彼にいわせると20年かもしれないですけれど、彼が牽引していくんだと思いますよ、日本のアニメーションを。
記者:そこでどんな面白いことがあればいいと思いますか?
庵野:そうですね…ぼくの作品はアニメーションを代表するといっても、世界観的にはすごく偏っているんです。こういうマニアックなもので固められてるそういう作品をみて、いろんな国の人の反応があればと思います。(ぼくの作品は)日本らしいといえば日本らしいんですけど、あまり日本のステレオタイプなものではないので…日本的なものは宮崎さんの作品をみて貰えればいいと思います。ぼくのはもっと偏っていますので(笑)。そういうニッチなところも日本のひとつとしてみて頂いて、それに…なんだろうな、評価があればいいなと思います。


庵野は自分の後継者ではない
自分の同業者であり戦友でもある

TOMINOSUKI /富野愛好病 宮崎駿監督の台湾取材に対する全発言を紹介
 庵野は後継者とは思えない。『ナウシカ』のとき、23歳庵野が43歳の自分のところに来て「描かせてください」と言ったとき、同じ映画のスタッフだったので、そっちが年下と意識していなかった。庵野の作品は見たことなかったが、庵野の思っていること、やりたいことを分かるし、庵野が辛く苦しく感じる理由を分かるつもり。庵野は自分の後継者ではない。自分の同業者であり、戦友でもある。

庵野もナウシカをやればいいんだ
だけど原作どおりやるのは止めろ

「庵野秀明×松任谷由実×宮崎駿 映画「風立ちぬ」完成報告会見」(『熱風 2013年8号』)
宮崎:庵野は、ずっと「ナウシカをやらせろ」って言うんですよ。「いい加減にしろよ」と言ってたんですが、去年か一昨年、病院に連れ込まれて検査でミミズをひっくり返されるような目に遭った時に、一番気になったのが、「まだ(『風立ちぬ』の)絵コンテが出来てない、これでくたばるのはいやだ」ということだったんです。それで、「もういいや、庵野もナウシカをやりゃ、いいんだ」「だけど、あんなもの、原作どおりやるのは止めろ」と、もう、好きにすればいいって、そういうふうに思ったんですね。大した問題じゃない、やりたかったらやればいい。僕も亡くなった人の作品をやりたいようにやってますから、それでいいんだと。庵野とは、そういう関係です(笑)。

企画者としては
庵野が『ナウシカ2』をやるのが1番正しい

ジブリ鈴木P「宮崎駿の後継者は庵野秀明」発言の真意に言及 - シネマトゥデイ
鈴木:東京国際映画祭で庵野の特集上映をやるわけでしょ。そういう場でいろんな人に注目していただくにはそういう言い方がいいかなと思って。それともうひとつは、庵野自身が宮さんの弟子だと公言しているということもある。それを客観的に言うとそう(後継者と)なるでしょ。
押井:それって言葉のあやだよ。世間的に言うと、後継者っていうのはさ、宮さんの座っていた席に座ることなんだから。あの二人の関係はさ、ジジイと孫なんだよ。孫だったら利害もぶつからないだろ。結局、宮さんは庵野がかわいいだけ。
司会:なんで後継者は押井さんじゃないのか?
鈴木:還暦を過ぎた人が後継者なはずがない!しかも押井さんは、宮崎駿をライバルだと言っているし。
押井:ライバルとは言っていない。敵だ!
鈴木:(庵野は)『エヴァ』をどう終わらせるんだろうね。これは僕が勝手に思ったことだけど、あれ、ナウシカが必要だよねと庵野に言っちゃった。
押井:企画者としては、庵野が『ナウシカ2』をやるのが一番正しい。ケレンだらけで、ドロドロですさまじいものを作れば終わるから納得するはず。やればいいじゃん。


china1.jpg
王蟲を3DCGで表現?
ナウシカ2のための3DCGモデル開発?

YouTube - 超亜空間防壁チーズ・ナポリタン【GMO×スタジオカラーのフル3DCGショートアニメ!】

ナウシカ7巻だけで3部作?
鈴木敏夫のジブリ汗まみれ - TOKYO FM 80.0 -
2013/06/03 『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ』でナビゲーターを務めて頂いた立花隆さんをお迎えして。【後編】

鈴木:ただ庵野がね、(中略)7巻だけで三部作でやりたいって。123456(巻)はいらないって言ってるんですよアイツは(笑)。

宮崎駿が描いた原作の線を生かしたい
「スタジオジブリ30年目の初鼎談 高畑勲×宮崎駿×鈴木敏夫」(『文藝春秋 2014年2月号』)
鈴木:宮さんがどう思うかわからないけど、(新世紀エヴァンゲリオンシリーズ監督の)庵野秀明が、『風の谷のナウシカ』の続編を作りたいと言っているのですが、宮さんの描いた原作の線を生かしてできないかと。その着想のもとにはマンガの原作の線をアニメに生かした高畑さんの『ホーホケキョ となりの山田くん』があるんですよ。
宮崎:それは絶対止めたほうがいい。よけいなことです。僕はもう線のタッチなんかにこだわりません。線をみせるために映画を作っているのではありませんから。

20世紀に描かれたものと
21世紀に描かれたものは意味が違う
その壁を庵野が超えていけるか

「仕事の学校」生徒:川村元気×先生:宮崎駿(川村元気『仕事。』所収、雑誌掲載版『UOMO 2013年9月号』)
川村:庵野さんといえば、20代の頃、宮崎監督の『風の谷のナウシカ』の作画スタッフに応募して採用された話が有名ですが、最近、口癖のように「『ナウシカ』をやりたい」と言っていると、鈴木敏夫プロデューサーから聞きました。
宮崎:ええ。だから、この間「やっていい」と言っちゃいました。あと「原作どおりにやろうなんて思わないほうがいいぞ」って。それは本当に困難な道ですから。
川村:宮崎さんが40代の頃、30年前に描いた作品を庵野さんにやりたいと言われるのは、どういう気分ですか?
宮崎:庵野に「僕はもう『ナウシカ』をやらないからやっていいよ」と言ったのは、あの頃描いたような思いを込めて『ナウシカ』を描くことは、今の僕にはもうできないからです。そういう少女がいて、いろんなことをひっくり返したり、はるかな旅をしながら本質に迫っていくような映画を、この21世紀になって本当にくだらなくなってきた世の中でつくれるのかというのがいちばん大きいんですよ。20世紀は終末だとかいっても、どこかで甘美なものがあった。横で浮かれてるやつがいっぱいいるから、「ざまあみろ」という感じで終末を語ることができたんです。でも、今はそのへんの女の子までが「前途は暗いんでしょうか」と言ってくる。「健康で一生懸命働きゃ大丈夫だよ。あっという間に年をとるから」と言っていますけど、慰めにならないらしくて。つまり、20世紀に描かれたものと、21世紀に描かれたものは意味が違うんだと思います。その壁を庵野が超えていけるのかどうかということです。


『風立ちぬ』【補遺】資料室
まだ風は吹いているか 長篇引退作品 宮崎駿監督『風立ちぬ』
『日本特撮に関する調査報告書』
「庵野秀明が選ぶ特撮作品ベスト5」&「円谷特殊技術研究所」DVD-BOX&「特撮関係者75人が選ぶ最強特撮作品ベスト10」&「庵野秀明談・宮崎駿が観た特撮作品」
「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」&特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』
2012年夏・東京都現代美術館の展覧会「庵野秀明館長 特撮博物館~ミニチュアで見る昭和・平成の技」&ジブリ美術館ライブラリー最新作『Tales of the Night』
ジブリ汗まみれと『BEST OF アニメージュ』
スタジオジブリ最新作(2011年12月12日公開)『キュッキュの大冒険』作画:大塚伸治


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