『キリク 男と女』3D特別上映&ミッシェル・オスロ×高畑勲トークイベント

(2014年3月21日、3月24日、4月4日のツイート)

YouTube - KIRIKOU ET LES HOMMES ET LES FEMMES (Michel Ocelot) - Bande annonce VF

高畑作品は映画が起こす奇跡!仏アニメの巨匠ミッシェル・オスロ監督と対談!
『キリク 男と女』ミッシェル・オスロ監督と高畑勲監督が対談
日仏アニメ界の巨匠、高畑勲監督とミッシェル・オスロ監督が夢の対談 最新作『キリク 男と女』の日本語字幕を修了生が担当しました - 日本映像翻訳アカデミー
『キリク 男と女』の日本語字幕を手がけた修了生の常本亜希子さんと上田麻衣子さんのコメント - 日本映像翻訳アカデミー

※トークイベントに先駆け、事前にオスロ監督は『かぐや姫の物語』、高畑監督は『キリク 男と女』を観ている。

 オスロ監督のことをまだ知らなかったときに、「日仏学院でお前(高畑)と対談したい」という話をいただいた。それで『キリクと魔女』をみせてもらった。そのおかげで自分の問題意識に対する解答を得たような気がした。

 オスロ監督の『かぐや姫の物語』の感想。ずっと幸せな気持ちでみられた。ただし、『おもひでぽろぽろ』のように2人(かぐや姫と捨丸)が結ばれる期待があった(が、そうはならなかった)。女性の立場を考えるという、高畑さんと共有するものを確認できた。ヒメが宮殿から逃げるシーンが素晴らしかった。植物の描写の正しさにも驚いた。歴史的、美的、詩的。そして、アニメーションとして素晴らしい作品。

 高畑監督の『キリク 男と女』の感想。愛されたキリクのエピソードを使いながら、キリクを短編で描いている。物語の発端があって最後まで構造があって解決がある。『キリクと魔女』が『カムイ伝』だとしたら、『キリク 男と女』は『カムイ外伝』。

(オスロ監督) 『キリクと魔女』のとき、資金を集めるのが大変だった。パリではなく、地方の小さな配給会社が協力してくれた。予告・プレス・ポスターなし。口コミで紹介。同時期公開のディズニー作品は600本、ドリームワークスの作品は700本のプリントがあったのに対して、私たちの映画は60本のプリントしかなかった。配給会社は入ったお金を宣伝ではなく、1本でも映画館に廻すプリントの数を増やすことに使った。『キリクと魔女』はフランスアニメーションの歴史を変えた。フランス人による長編アニメーションで赤字を出さないことができる。
 「すごいことですね」(高畑)

 『キリク 男と女』も素晴らしい作品だったが、私としては「キリク」の続編より、『アズールとアスマール』の続きの方が観たい。そちらの方が観たい。「キリク」を3本も4本もつくるより、『アズールとアスマール』の続きをつくった方がいいと私は思う。(高畑)

「キリク」劇中歌がよかった。(高畑)
アフリカ人の力でアニメーションをつくりたいというのがあった。(オスロ)
オスロさんがいなかったら出来ていない。(高畑)

 「アフリカ(物のアニメーション)は売れないよ」と言われていた。「ブラやパンツを着させろ」と言われたりも。英米の人は女性のおっぱいが怖いようだ。アメリカ人に「あんたは黒人じゃないから(黒人の作品を)つくっちゃダメだ」と言われたこともあるが、黒人の方は(アニメーションを観て)私のことを黒人だと思ってくれた。(オスロ)

 優れた映画は誰が観ても理解できる力がある。『かぐや姫の物語』は日本的な作品だが、『火垂るの墓』と比べたら、『火垂るの墓』の方が日本的。御伽話は世界に存在している。だから、世界中の人々に通じる。(オスロ)

 『アズールとアスマール』日本語版について。オスロさんを尊重してアラブ語は翻訳しなかった。何を言ってるかわからないけれど、それを推測する。最近はそうでもないけど、昔のアメリカ映画はいい加減で、どこの国を舞台にしてもみんな英語ばかりだった。(高畑)

 『キリクと魔女』のヒットの記憶がまだ新しかったので、権力を使った。アラブ語に字幕をつけるのダメ、翻訳するのもダメ。アラブの文明を描いた。必ず一人は出てくる大人の質問「なぜアラビア語を翻訳しない?」。子どもは質問しない。人生にはわからないこともある。字幕が必ず出てくるわけじゃない。(オスロ)

 『キリクと魔女』でキリクが、お爺さんのところから魔女のところに行くところの画面が、図式的で幼稚だと日本では思われるようだけど、子どもは「そっち行ったらあぶない」と怖がる。主観的なドキドキではなく、外から描いてハラハラさせることの意味、そういう効用を日本の制作者は考えていないのではないか。(高畑)

 オスロ監督が今準備している新作は、自国のフランスが舞台でインパクトがある作品。
(『アズールとアスマール』BD・DVD映像特典「ミッシェル・オスロ“映画監督への道のり”」の最後に触れられている、1900年のパリが舞台でサラ・ベルナールとプルーストを登場させたい、とオスロ監督が語っている作品?)

『Dilili in Paris』 - Michel Ocelot
Animated feature film (2017)


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