【宮崎駿のファンタジー回帰】三鷹の森ジブリ美術館企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展~メルヘンのたからもの~」


三鷹の森ジブリ美術館 - 企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」
【展示期間】2014年5月31日(土)~2015年5月17日(日)

【3人の女の子】
「宮崎(駿)さんは3人の女の子にクルミわり人形をあげたらすごく喜ばれたんで、この3人の女の子が喜ぶ展示をやろうと考えて展示をつくられたそうです」
(『熱風 2014年7月号』特集「三鷹の森ジブリ美術館企画展示クルミわり人形とネズミの王さま展」アリソン・ジェイ インタビュー)
【まだ夢には出てきません】
「この前、イギリスの「くるみわりにんぎょう」といういい絵本を、一人の女の子にあげたら気に入ってくれたんです。それで本物のくるみ割り人形がインターネットで買えることがわかって、その子にプレゼントしようと決めた」
「最初に僕がプレゼントしようとした女の子は、今度五歳になるんですが、僕に手紙を書いてくれたんです。「今度こっそりクルミを入れてみます。まだくるみ割り人形は夢には出てきません」って。本物といっても人形だからクルミを入れると壊れちゃうんですよ。でも彼女は入れたくてしょうがない。「まだ夢には出てきません」という言葉もいいでしょう」
(『文藝春秋 2014年2月号』「スタジオジブリ30年目の初鼎談 高畑勲×宮崎駿×鈴木敏夫」より、宮崎駿のことば)

ジブリ美術館の企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」は、宮崎駿が約5ヶ月をかけて企画・制作・監修した、いわば“(長篇映画監督)引退後の初仕事”。

宮崎駿監督、引退後初仕事 ジブリ美術館『クルミわり人形』展 - ORICON STYLE
宮崎駿監督“引退後”の初仕事 三鷹の森ジブリ美術館“クルミわり人形とネズミの王さま展”をリポート - ファミ通.com
「くるみわりにんぎょう」英国人イラストレーターから見た宮崎駿 - シネマトゥデイ
スタジオジブリ専門店 特集「クルミわり人形とネズミの王さま展」 - セブンネットのネット通販
ジブリ調査隊が行く!三鷹の森ジブリ美術館 クリスマス装飾と、企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」- ローソン スタジオジブリポータル


「クルミわり人形とネズミの王さま展」
ポストカード「ようこそ おかしの都へ」(イメージイラスト:宮崎駿)


絵本『くるみわりにんぎょう』
E・T・A・ホフマン原作 アンマリー・アンダーソン再話
アリソン・ジェイ絵 蜂飼耳訳


【宮崎駿「アリソン・ジエイさんの絵本について…」(おすすめのクララ)】
「心をこめてつくられた箱庭のような世界。あなたと同じように勇敢でやさしいクララ。なんとおかしの国はクララの家の丘ひとつむこうにあるんです。パーティーがおわってねむくなってだっこされて帰るクララはあなたにそっくりでしょう。愛情あふれる絵本です。クルミわりの最高の絵本だと思います」
(“「クルミわり人形とネズミの王さま展」”パンフレット)


(アリソン・ジェイ絵『くるみわりにんぎょう』)

【お菓子】
「この本はお菓子の描き方が本当に上手ですね。どんな味がするんだか分からないようなお菓子もあって、食べている気配がないとか、これはちょっと切ってあるなとか、こんなに食えっこないとか、いろんなことを僕は言っているんですけど(笑)。それに、右上に描かれたピンクのお菓子は何なんだろう、何でできているんだろうと思うんですが、分からないんです。そういったことを考えることが、(劇場映画『風立ちぬ』制作の)僕の息抜きになったことは確かです」
(『熱風 2014年7月号』特集「三鷹の森ジブリ美術館企画展示クルミわり人形とネズミの王さま展」宮崎駿インタビュー)


『AERA 2014年8月11日増大号』
宮崎駿 引退後の初仕事 「クルミわり人形とネズミの王さま展」

(「やっぱり宮崎さんはメルヘンが好きなんだ」『庵野秀明・安野モヨコ夫妻が見た!触った!』収録)
アリソン・ジェイの絵本を基にして、お菓子を立体造形物で再現。


「クルミわり人形とネズミの王さま展」
ポストカード「お茶の時間」(イメージイラスト:宮崎駿)


挿絵画家アーサー・ラッカムの世界2

【おかしの国の罠~宮崎駿館主、苦闘の日々~】
「(アーサー・ラッカム挿絵集の)『ヘンゼルとグレーテル』の挿絵を(宮崎駿が)見て「なぁんだ、みんなお菓子の家の表現に困っていたんじゃないか。どう描いて良いかわからなかったんだな」と思ったそうで…」
(“「クルミわり人形とネズミの王さま展」”パンフレット)


「最初のおかしの家
 1812年『ヘンゼルとグレーテル』(イメージイラスト:宮崎駿)
 おかしの国は1816年のクルミわり人形がはじまりです」
(“「クルミわり人形とネズミの王さま展」”パンフレット)


ジブリ美術館限定特製ブックカバー表紙 (イラスト:宮崎駿)
岩波少年文庫『クルミわりとネズミの王さま』
E・T・A・ホフマン作 上田真而子訳


【宮崎駿「おすすめのマリー」】
「これこそ、ぼくが何度もよんだ本です。なにしろ、200年前の作品なので(日本はチョンマゲの時代です)、そのままでは、一寸ややこしいのです。訳者の上田さんが誠実に心をこめて読みやすくしてくれています。この本ならホフマンも満足するでしょう」
(“「クルミわり人形とネズミの王さま展」”パンフレット)


ジブリ美術館限定特製ブックカバー裏表紙 (イラスト:宮崎駿)

 「馬だ!──馬をひけ!──馬をもってきてくれたら、王国をあたえるぞ!」
 そのときです。敵の散兵、二匹のネズミがクルミわりの木のマントをひっつかみました。そして、ネズミの王さまが、七つののどから勝鬨(かちどき)をあげながら、クルミわりにとびかかろうとしました。
 マリーはもうじっとしていられなくなりました。
 「ああ、わたしのかわいそうなクルミわり!──わたしのかわいそうなクルミわり!」
 そうさけんで、マリーはすすりあげながら、無我夢中で左足の靴を手にとり、力いっぱい、ネズミの山のまんなかにいる王さまめがけてなげつけました。

 (上田真而子訳 岩波少年文庫『クルミわりとネズミの王さま』)


「クルミわり人形とネズミの王さま展」
ポストカード「くつを投げるマリー」(イメージイラスト:宮崎駿)
【「ガシャガシャ劇場」イメージボード】



「クルミわり人形とネズミの王さま展」ポストカード
「ネズミと戦うおもちゃたち1」(上)「ネズミと戦うおもちゃたち2」(下)
【「ガシャガシャ劇場」イラスト:宮崎駿】

【子どもの“心の世界”】
翻訳家 上田真而子インタビュー


「(宮崎駿制作の解説)パネルにもあったでしょう、ドロッセルマイアーさんはホフマン本人がモデルだって。もちろんそうなのでしょうね。友人のヒッツィヒ家のマリーという娘にお話をしたというのが元の話だということですから、口から出たその時々のファンタジーでお話が進んでいく。だから、つじつまなんてぜんぜん合わないんですよね。私も翻訳をしている時に、うっかりするとお話にのって、自分で勝手につじつまを合わせてしまいそうになることがありました。でも、それはダメなんですね」
「『クルミわりとネズミの王さま』は、普通に言うファンタジーとは本質的に異なる物語で、子どもの“心の世界”なのだと思います。子どもは、生まれてすぐは三次元の現実だけで生きているわけではない。だから、大人からみたらつじつまが合わないようなことを想像したりするわけですが、それが成長するに従って三次元の現実に閉じ込められざるを得ない。ホフマン自身は大人であっても、そんな子どもの“心の世界”を残していたのかもしれません」
(“「クルミわり人形とネズミの王さま展」”パンフレット)


『熱風 2014年7月号』
特集「三鷹の森ジブリ美術館企画展示クルミわり人形とネズミの王さま展」
宮崎駿インタビュー 「クルミわり人形」との出会い


【なぜそんなにつじつまを合わせなくてはいけないのか】
「(ジブリ)美術館の企画展示で「クルミわり人形」をテーマになにかしようという話になった。で、岩波少年文庫の『クルミわりとネズミの王さま』(ホフマン作 上田真而子訳)を初めて読んでみた。この本、読んでいくと、全然つじつまが合っていないんです。でもそれに対して、まるで原作者のホフマンが「君、何でつじつまがそんなに必要なんだね」と言っている感じなんです。そうすると「つじつまというやつは本当に愚劣な行為なんだな」とか、僕も思い始めるようになりましたね」
「実は作品なんて、分からないものだらけなんです。分からないものだらけなのに「分からなきゃいけない、説明しなきゃいけない、それはこういう意味を持っている」とか、「こういうテーマがある」とか、そういうことを整然と理屈で言えなきゃいけない、全部漏れなくしゃべらなきゃいけないなんてのは、病気です(笑)。誰でも思いつくことで映画をつくってもしようがないんです。「いろはにほへとちりぬるを」を全部書きましたって言っても、何も立派なことはないですね。映画というのは、途中、「へ」が入って、突然「に」があったとか、それで終わっちゃったっていいんです」
「自分で決めたルールは、作品の中ではある一定は守らなきゃいけないんだけど、ホフマンなんか、守ってもいないぞと。初めからルールは見ないという感じでやっている(笑)。そういう考え方があるんだと思ったら、それはそれで僕は納得しました、確かにそうかもしれないと」

【ファンタジーはあり得るとまた、思うようになった】
「『くるみわりにんぎょう』の絵本に触発されたんですが、僕は以前アニメーションでファンタジーはもう無理だと言っていましたが、ファンタジーはあり得ると思うようになりました。大きなマーケットを相手にするのは構えが大きくなってややこしいけど、本当にファンタジーと言えるような、こういうまろやかな世界をつくる仕事はあり得るんだというふうに、『クルミわり人形』の原作者ホフマンとずっとつき合っていて思うようになったんですね。それはどういう形なのかは見当もつかないんだけど、この絵本の熱心な読者や、それからクルミわり人形を本当に抱き締める人たちがいるんだから、自分の孫も含めて、男どもはどうでもいいけど(笑)、そこについてつくられた作品があってもいいんじゃないかなというふうには思いましたね。ただ、これをこのままやればいいということじゃないですけど」


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