高畑勲の細田守監督作品評&幻となった細田守監督の『ハウルの動く城』

(2015年8月10日、2016年8月17日のツイート)
【高畑勲の細田守監督作品評】
若いフランス人の男の子がこんな質問をしました。
日本の若手アニメーション監督についてお聞きしたいのですが、
たとえば、細田守監督のことはどう思っていますか?

 高畑(勲)さんは、しばらくじっと考えてから答えました。
『時をかける少女』は非常によかったけれども……
言うべきかどうか……いや、はっきり言ってしまいましょう。
残念ながら、『おおかみこどもの雨と雪』は駄作だったと思います

(プロデューサー奥田誠治が語る「もうひとつのジブリ史」『熱風 2015年8月号』)

(金沢大学の講演での高畑勲の発言)
リアルを目指すなら徹底的にリアルに(例:『火垂るの墓』)、
リアルを目指さないファンタジーなら
そのように演出するべきだ
(例:『パンダコパンダ』)」
その流れで(高畑勲は)『おおかみこどもの雨と雪』を批判していた
映画においてのリアル 『ブルー・リベンジ』
- 目標毎日更新 カナザワ映画祭主宰者のメモ帳


宮崎駿
「約束事のない映画ってないですよ、ね?『これは深刻な映画です』とかね(笑)、
『これはちょっとアバンギャルドですよ』っていうね。それは必ずどっかで提示されますよ。
例えば『ドラえもん』の絵を観た瞬間にね、これはリラックスして観ましょう、
難しいことを言うのはやめましょう、そのレベルで観ましょうっていうふうにね。
あらゆる作品が全部始まった途端に、
あるいは始まる前から暗黙の約束事を要求するんです。当然のことですよね」
「で、それを僕は否定する気は全然ないんです。ただ、
自分が『このレベルで嘘をつきます』って決めたときに、
そのレベルの嘘を守ることですよね。
それをしょっちゅう変えちゃう奴がいるんです、それは最低なんですよ!

宮崎駿『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』

【細田作品の感想 by紫の豚】

『時をかける少女』(2006)予告篇

細田守監督作の『時をかける少女』は公開当時劇場で観ました。
私自身DVDを買うぐらい気に入った作品なのですが、
急な下り坂の直線上に、電車の踏切が設置されているところが、引っかかりました。
危険極まりないし、自転車事故が起こるのも当たり前で、作劇上の作為を感じました。


『サマーウォーズ』(2009)予告篇

『サマーウォーズ』も確か劇場で観たと思います。
良いところもあったのですが、ラストがダメでした。
他のアニメ作品でもたまに見かけるのですが、
根拠なき安直な「元気玉的解決」は大嫌いです。
だから、『サマーウォーズ』は好きになれませんでした。


『おおかみこどもの雨と雪』(2012)予告篇

『おおかみこどもの雨と雪』はDVDレンタルして観ました。
映画館のチケット代を払って観なくてよかったと思いました。


『バケモノの子』(2015)予告篇

『バケモノの子』の時は、ジブリ作品の常連スタッフが大勢参加していると
知っていても興味が持てませんでした。
映画館に足を運ばず、DVDも借りませんでした。
金曜ロードSHOW!TV放送を録画して初めて観ました。
私個人の感想ですが、これは傑作だと思いました。
アニメーションの作画も背景画もハイレベルで素晴らしく、
細田守監督のことも見直し、次作が楽しみになりました。
多分、これを観て、いろいろと考え直さなかったら、
『君の名は。』を劇場で観ることもなかったでしょう。

【幻となった細田守監督の『ハウルの動く城』】

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
『魔法使いハウルと火の悪魔 空中の城1』
(原題:Howl’s Moving Castle)


スタジオジブリから思いがけない連絡が入る。
「映画の企画がある。やってみないか」
日本最高峰のスタジオで長編を作るチャンスを得た。
「やったーみたいな、ついに長編だーみたいな。
絶対作れると思ってたんだよね、これは」(細田守)
これまで培ったやり方でやり遂げてみせる。ジブリに出向し絵コンテに着手した。
だが、与えられた原作『ハウルの動く城』は奇想天外で難解な物語。
どう構成すれば映画に仕立てられるのか、糸口がつかめない。
けれど、細田さんは誰にも助けを求めなかった。
「東映で学んだぞみたいな、変な自負というか、まぁ安いプライドみたいなものがあって、
宮崎さん高畑さんに相談したりとかね、一種教えを請うってことも、今から思えばね、
ちょっとぐらいしてもよかったんじゃないかと思うんだけど、なんかこう…なんかこう…
一方でなんか、そこでなんか、こうだああだ、っていう風に言われちゃうのも
嫌だなっていうこともあって」(細田守)
細田さんは自らの殻に閉じこもり、一人孤立していった。
8か月後、コンテはついに行き詰まった。
担当のプロデューサーからこう告げられた。
「細田くん、これもう無理だね」
「4月21日です、2002年の」(細田守)
『プロフェッショナル 仕事の流儀 アニメーション映画監督
細田守の仕事 希望を灯す、魂の映画』
2015年8月3日放送)

細田守監督『ハウルの動く城』途中降板について考えると、
宮崎吾朗が監督した『コクリコ坂から』のことを想起します。
NHKのコクリコドキュメンタリーを観た人ならわかると思いますが、
「コクリコ」は2010年夏、絵コンテ作りの途中で頓挫の危機に陥りました。
「鈴木さん、いざとなったら俺がやりますよ、コクリコを」
という宮崎駿の発言もドキュメンタリーに記録されていますから、
細田ハウルの時と同じように、企画者の宮崎駿が代行して
「コクリコ」を監督する可能性もありえました。
そうなったら、鈴木敏夫から打診されていた(される前だったかもしれない)
宮崎駿監督作品長編映画『風立ちぬ』の企画はどうなっていたでしょう。
宮崎駿が本格的に『風立ちぬ』映画化の検討に入ったのは2010年秋ですから、
企画構想の段階でストップして制作されずに終わっていたかもしれません。
細田ハウルの作画監督を務めるはずだった近藤勝也が
「コクリコ」の作画監督(キャラクターデザイン)を担当していたことも
どこか因縁を感じますし、紆余曲折があったにせよ、
監督として最後までやり遂げた宮崎吾朗には感謝します。

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