宮崎駿監督「長編最新作」に触れた鈴木敏夫著『ジブリの文学』の「あとがき」を読む。


【岩波書店】
『ジブリの文学』
2017年3月28日発売


宮崎駿監督「長編最新作」に触れた
鈴木敏夫著『ジブリの文学』の「あとがき」を読みました。

アイルランド人が書いた児童文学に刺激を受けた、
宮崎駿監督による日本が舞台のオリジナル長編映画企画が進行中のようです。

ジブリ美術館短編映画『毛虫のボロ』にも参加していた
スタジオカラー所属のアニメーターである本田雄が
その宮崎駿の新作長編の作画監督を務めることになるそうです。

未公開シーンが追加された
BS1スペシャル版「終わらない人 宮崎駿」で、
何度も熱読するぐらいの本との出会いが宮崎駿にあって、
「こういう世界のつかまえ方、描き方があるんだ」という発見もあり、
“お前、それでリタイアしていいの?”と
本から突かれたような気持ちになったと、宮崎駿が語っていましたから、
宮崎駿の新作長編企画に影響を与えたアイルランド人が書いた
児童文学というのはこの本のことなのかもしれません。

ただその本のタイトルはまだ明かされていませんし、
私もまだ確信はないのですが、昨年ジブリ美術館に行ったとき
図書閲覧室 「トライホークス」で宮崎駿推薦と紹介されていた
ジョン・コナリー著『失われたものたちの本』
その本である可能性が高いと思っています(作者はアイルランド出身)。


『失われたものたちの本』
ジョン・コナリー(著), 田内志文(訳)


【内容紹介】
第二次世界大戦下のイギリス。
本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。
孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞いたり、
不思議な王国の幻を見たりしはじめる。
ある日、死んだはずの母の声に導かれて、
おとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、
美しくも残酷な物語の世界の王国に迷い込んでしまう。
元の世界に戻るため『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。
少年の謎に満ちた旅路と、困難を乗り越えて成長する姿を描く異世界冒険譚。

上記の内容紹介にあるような
主人公が少年のダークファンタジー物は、
「そこには入ったことがないってところに行く」
「触れてこなかったところに触れる」という宮崎駿の言葉とも合致しますし、
仮に『失われたものたちの本』の影響を多大に受けているとしたら、
宮崎駿監督の長編引退作品(仮)である『風立ちぬ』でも描かれた
「少年の悲劇性」と「大切な女性の死」をさらに深く、
宮崎駿は新作長編で掘り下げていくのではないかと思います。

NHKの番組「終わらない人 宮崎駿」で公開された
宮崎駿の「長編企画 覚書」に書かれた制作スケジュールによると、
作画INは2017年のおそらく夏で、完成予定は2019年です。
最近の鈴木敏夫の発言で「3年かかる」とも言っていますし、
そうなると2020年です。まだまだこれからで頓挫する可能性だってありえます。

『毛虫のボロ』とは違って、新作長編は「全編手描きでやる」そうですから、
クラフターのCGスタッフは「ボロ」で御役御免になって参加しないのかもしれませんが、
背景美術の武重洋二・吉田昇、映像演出の奥井敦、制作デスクの三吉弓子といった
これまでのスタジオジブリ作品にも参加してきたメインスタッフの方たちは
「ボロ」から引き続きそのまま「長編」にも参加するのではないかと想像します。
『風立ちぬ』長編映画のときのメインスタッフは、その前に宮崎駿監督が作った
ジブリ美術館短編映画『パン種とタマゴ姫』に参加したメインスタッフとほぼ同じでした。

「他のスタッフは?」「本田雄がいなくて『シン・エヴァ』作れるの?」
といった、とても気になる大きな疑問もありますが、それは置いておいて、
今は事の趨勢を気長にそして静かに見守っていきたいと思います。
なにしろ実現したとしても、観れるのは早くて2019年です。まだまだ先です。

ということで今年、2017年は、
ジブリ最新作「レッドタートル」をまだ観ていない人は早く観ましょう。
②宮崎駿監督による『風立ちぬ』以来となる新作アニメーション
短編映画『毛虫のボロ』がジブリ美術館(東京・三鷹)でついに公開されます。
③ジブリ作品参加経験者が全体の8割であるスタッフで作っている、7月8日公開の
米林宏昌監督作品『メアリと魔女の花』も忘れずに楽しみにして待ちましょう。では。

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次回作の妄想

紫の豚さん、お久しぶりです。
大変興味深い情報と推測の記事、ありがとうございました。

この情報から僕の妄想/期待である「庵野秀明と宮崎駿の共同監督『風の谷のナウシカ 第7巻』」という新作予想は、これで潰え去ったかに思えましたw。

しかし紫の豚さんの記事をよく読むと、この本の内容と『第7巻』の呼応、そしてカラーのメインスタッフ本田雄の作画監督という二つのキーポイントは、まだ僕の妄想/期待を否定するものではないかもと。

本田雄が作画監督というのも、むしろその妄想/期待を補強するようにも邪推出来ます。あの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破、Q』という煉獄を描き得たスタッフなら、もしや映像化不可能だと思っていた『第7巻』も、庵野との共同監督、そしてカラースタッフがいれば、宮崎駿も可能かもと思ったのかもしれない…。妄想は広がりますw。

いずれにしても、ジブリにスタッフがいなくなった後、庵野監督とジブリの深い関係から、カラーが制作の母体になる可能性は高いでしょう。

どちらにしても、やはり紫の豚さんの書かれている通り、ヱヴァの新作が遠のいた可能性は否定できません(^^;)。

今後も新作の行方を見守りましょう。

僕の妄想/期待を書いた記事です。
http://bp.cocolog-nifty.com/bp/2017/02/owaranai-miyaza.html
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